はじめに
昨年から物価の上昇に目を見張るものがあります。それとは逆に庶民のお給料はなかなか増えていないのが現状です。そのような現状がありながらも定年退職後の年金生活に対しても不安を感じておられる方が多いのではないでしょうか?「貯蓄より投資」への促進を目指し「家計の安定的な資産形成の支援」を目的として2014年よりニーサ制度が導入されました。2024年よりニーサ制度が改正され大きくパワーアップしました。これを使わない手はないと思います。すでに始められている方々もおられますが、ニーサ制度を大いに活用して家計の安定的な資産形成を行いましょう。
・資産形成の基本
資産形成を行なっていくうえで「家計管理とライフプラン」は重要です。また、金融商品について知ること、そのうえで長期・積み立て・分散投資の考え方を身に着け時間をかけて資産を増やして行くことがポイントです。
・家計管理とライフプランニング
日本では長寿化が進み人生100年時代と言われています。生きる時代ですので、年金生活が長く続くことが予想されます。ライフスタイルも多様化が進み個人で必要お金の金額やタイミングなどそれぞれ違います。自分の人生をより豊かなものとするためには、家計管理やライフプランニング行うことにより資産形成をより進めることができます。
家計管理
収入と支出を把握し管理します。収入―支出=黒字にする。収入から先に使ってしまうと貯蓄に回すお金が確保できなくなることも考えられます。(あるだけ使ってしまうという人は要注意です)ということは貯蓄額や運用に回すお金は先に差し引く方が堅実です。毎月お給料が入ったら一定の金額を自動で貯蓄に回す仕組みを作っておくのが望ましいです。そして、貯蓄を差し引いた残りの金額で家計をやりくりしましょう。
ライフプランニング
家族の未来予想図を考えましょう。人生の夢や希望を盛り込んでライフプランを作成することにより何年後にいくら必要かなどあらかじめ準備をすることができます。人それぞれに家族構成や収入、支出、価値観が違うため自分に合ったライフプランを立てましょう。
作成したライフプランを実行していくには資産形成について考えることも必要です。
貯蓄と投資を目的に従って資産形成を行ないましょう。
家計管理
収入と支出を把握し管理します。収入―支出=黒字にする。収入から先に使ってしまうと貯蓄に回すお金が確保できなくなることも考えられます。(あるだけ使ってしまうという人は要注意です)ということは貯蓄額や運用に回すお金は先に差し引く方が堅実です。毎月お給料が入ったら一定の金額を自動で貯蓄に回す仕組みを作っておくのが望ましいです。そして、貯蓄を差し引いた残りの金額で家計をやりくりしましょう。
ライフプランニング
家族の未来予想図を考えましょう。人生の夢や希望を盛り込んでライフプランを作成することにより何年後にいくら必要かなどあらかじめ準備をすることができます。人それぞれに家族構成や収入、支出、価値観が違うため自分に合ったライフプランを立てましょう。
作成したライフプランを実行していくには資産形成について考えることも必要です。
貯蓄と投資を目的に従って資産形成を行ないましょう。
主な金融商品
資産形成を行なうには貯蓄と投資の2つの方法があります。貯蓄はお金を貯めて蓄えること、投資とは、将来に向かってお金を増やすために長期で金融商品に資金を投じることです。貯蓄と投資を使い分けて資産形成を行なうことが大切です。
主な金融商品には、預貯金、債券、株式、投資信託があります。
〇預貯金
銀行や郵便局などにお金を預けること。預けたお金。
元本保証ありで各金融機関で1000万とその利息まで保護されます。
流動性が高い。
〇債券
国、自治体、企業がお金を借りるために発行する有価証券。
利付債の場合は定期的に利息が支払われ満期まで保有すると額面全額を受け取ることができる。
発行体が破綻すると額面全額が返済されない可能性がある。
途中売却が可能
〇株式
株式会社が事業資金を集めるために発行する有価証券。
業績により配当金がもらえたり、株価の上昇が期待できる。
外部環境や業績の悪化により株価が下落し、損失が発生することもある。
〇投資信託
投資家から集めたお金を資金にして、複数の株式や債券に投資する仕組み。
少ない金額から購入でき複数の株式や債券に分散投資をすることができる。
価格が変動するため売却のタイミングにより、利益や損失が出る。
主な金融商品には、預貯金、債券、株式、投資信託があります。
〇預貯金
銀行や郵便局などにお金を預けること。預けたお金。
元本保証ありで各金融機関で1000万とその利息まで保護されます。
流動性が高い。
〇債券
国、自治体、企業がお金を借りるために発行する有価証券。
利付債の場合は定期的に利息が支払われ満期まで保有すると額面全額を受け取ることができる。
発行体が破綻すると額面全額が返済されない可能性がある。
途中売却が可能
〇株式
株式会社が事業資金を集めるために発行する有価証券。
業績により配当金がもらえたり、株価の上昇が期待できる。
外部環境や業績の悪化により株価が下落し、損失が発生することもある。
〇投資信託
投資家から集めたお金を資金にして、複数の株式や債券に投資する仕組み。
少ない金額から購入でき複数の株式や債券に分散投資をすることができる。
価格が変動するため売却のタイミングにより、利益や損失が出る。
NISAとは?先ずは概要を知ろう?
通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。2024年1月から制度が抜本的拡充と恒久化により新しくされました。
NISAの中身については以下の表に示す通りです。
※ ①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外
(注) 2023年末までに、つみたてNISAおよび一般NISAの口座において投資した商品は、2024年1月以降はNISAの外枠で管理され、2023年までのNISA制度における非課税措置が適用されます 金融庁HPより
旧NISAと違い非課税保有期間が恒久化され限度額は、積立と一般で1800万に引き上げられました。将来の年金不足額が2000万と報じられていましたがNISA口座で上限まで投資をすることができれば年金不足をカバーすることができそうです。
例えば、35歳から65歳までの30年間、毎月5万円、合計1,800万円を投資して、年率3%の投資利回りが実現できたと仮定すると、65歳時点の投資資産額は約2,914万円になります。30年という時間をかけてコツコツと積立投資を実行することにより年金不足分をカバーできそうですね。
NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。
イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAとして、NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。2024年1月から制度が抜本的拡充と恒久化により新しくされました。
NISAの中身については以下の表に示す通りです。
※ ①整理・監理銘柄②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外
(注) 2023年末までに、つみたてNISAおよび一般NISAの口座において投資した商品は、2024年1月以降はNISAの外枠で管理され、2023年までのNISA制度における非課税措置が適用されます 金融庁HPより
旧NISAと違い非課税保有期間が恒久化され限度額は、積立と一般で1800万に引き上げられました。将来の年金不足額が2000万と報じられていましたがNISA口座で上限まで投資をすることができれば年金不足をカバーすることができそうです。
例えば、35歳から65歳までの30年間、毎月5万円、合計1,800万円を投資して、年率3%の投資利回りが実現できたと仮定すると、65歳時点の投資資産額は約2,914万円になります。30年という時間をかけてコツコツと積立投資を実行することにより年金不足分をカバーできそうですね。
NISAのポイント
1,非課税保有期間が無期限に
2,制度(口座開設期間)が恒久化に
3,積立投資枠と成長投資枠の併用が可能に
4,年間投資枠が最大360万に(積立投資枠120万、成長投資枠260万)
5,非課税保有の限度額が1800万に(積立と成長枠1200万までを併せて)
6,非課税限度額の再利用が可能に(商品を売却したら翌年に売却した金額が復活するため再利用できる)
2,制度(口座開設期間)が恒久化に
3,積立投資枠と成長投資枠の併用が可能に
4,年間投資枠が最大360万に(積立投資枠120万、成長投資枠260万)
5,非課税保有の限度額が1800万に(積立と成長枠1200万までを併せて)
6,非課税限度額の再利用が可能に(商品を売却したら翌年に売却した金額が復活するため再利用できる)
NISAを利用するには
NISA口座を利用するには銀行や証券会社などでNISA口座を開設しなければなりません。
最近ではネット証券で開設する人が増えているようです。日本国内在住の18歳以上で一人につき1口座開設できます。二重口座の開設にならないよう税務署が管理されています(NISA口座以外は複数の証券会社で開設可能です。)
NISA口座の金融機関の変更は年単位で可能です。
最近ではネット証券で開設する人が増えているようです。日本国内在住の18歳以上で一人につき1口座開設できます。二重口座の開設にならないよう税務署が管理されています(NISA口座以外は複数の証券会社で開設可能です。)
NISA口座の金融機関の変更は年単位で可能です。
新NISAの積み立て投資枠と成長投資枠
「つみたて投資枠」とは、現行のつみたてNISAを引き継いだ枠になります。
つみたて投資枠では、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に投資することができ、対象商品は金融庁が選んだインデックス型商品が多いです。金融庁のHPに対象商品のPDFがアップされています。
「成長投資枠」は、現行の一般NISAを引き継いだ枠で、上場株式や投資信託(上場投資信託(ETT)や不動産投資信託(REIT)を含む)等に投資ができます。金融機関によって取扱商品が異なります。
ただし①整理・監理銘柄(上場廃止基準に該当する恐れがある場合、もしくは上場廃止が決定された場合に指定される銘柄のこと)、②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等、を除外するなど、一般NISAよりも対象商品は制限されます。成長投資枠は、つみたて投資枠の対象商品はもちろん、対象外の投資信託や株式にも投資をすることができるのです。
つみたて投資枠では、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に投資することができ、対象商品は金融庁が選んだインデックス型商品が多いです。金融庁のHPに対象商品のPDFがアップされています。
「成長投資枠」は、現行の一般NISAを引き継いだ枠で、上場株式や投資信託(上場投資信託(ETT)や不動産投資信託(REIT)を含む)等に投資ができます。金融機関によって取扱商品が異なります。
ただし①整理・監理銘柄(上場廃止基準に該当する恐れがある場合、もしくは上場廃止が決定された場合に指定される銘柄のこと)、②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等、を除外するなど、一般NISAよりも対象商品は制限されます。成長投資枠は、つみたて投資枠の対象商品はもちろん、対象外の投資信託や株式にも投資をすることができるのです。
NISAの活用例
投資については、ハードルが高くて難しそうだからとなかなか踏み出せない人には、ほったらかし投資がお勧めです。初期投資に回せるお金のない人でも小額からでも始められます。毎月コツコツと時間をかけて積み上げていき、そこには複利が働くためお金を成長させていくことが可能になります。
下のグラフを参考にして下さい。例えば、30歳の人が毎月27,000円を3%の運用利回りで35年間積立投資をおこなった場合、65歳で目標の2,000万を達成することができます。目標額の2,000万を50歳から始めようとすると毎月88,000円を積み立てる必要があります。少しでも早く始めたほうが良いということが分かります。
出典元:auカブコム証券
積立投資は小額から始めることができますし、余裕ができたら増額をしたり、出費の多い時期には減額もできますので無理なく続けられます。運用利回りは一定しておりませんが、長く続けることで元本割れのリスクも少なくなります。
手元にお金がある場合は成長投資枠も併用して活用することができます。ボーナス月は成長投資枠を使って追加投資を行うことができます。積立投資と成長枠投資で年間360万まで投資が可能です。1800万の非課税枠を使い切るまで投資をし続けることが望ましいです。もし、お金が必要になった場合は売却して現金化することもできます。
下のグラフを参考にして下さい。例えば、30歳の人が毎月27,000円を3%の運用利回りで35年間積立投資をおこなった場合、65歳で目標の2,000万を達成することができます。目標額の2,000万を50歳から始めようとすると毎月88,000円を積み立てる必要があります。少しでも早く始めたほうが良いということが分かります。
出典元:auカブコム証券
積立投資は小額から始めることができますし、余裕ができたら増額をしたり、出費の多い時期には減額もできますので無理なく続けられます。運用利回りは一定しておりませんが、長く続けることで元本割れのリスクも少なくなります。
手元にお金がある場合は成長投資枠も併用して活用することができます。ボーナス月は成長投資枠を使って追加投資を行うことができます。積立投資と成長枠投資で年間360万まで投資が可能です。1800万の非課税枠を使い切るまで投資をし続けることが望ましいです。もし、お金が必要になった場合は売却して現金化することもできます。
NISAでの注意点・失敗例
以下に失敗例を挙げますので参考にして下さい。
・金融機関を適当に選んでしまった
金融機関によって取扱える商品や手数料が異なります。なるべくコストの安いところで口座開設されるのをお勧めします。
・手数料の高い商品を窓口で購入してしまった
銀行等でお勧めされ、よく調べないで購入すると中には信託報酬の高い商品であったということになりかねません。長期投資のため将来の運用成績に差がつくことも考えられます。
・値下がり時に売却してしまった
評価額が大きく下がった時に焦って売却してしまうと損をします。慌てて売却することなく冷静に投資を続けましょう。下がった時こそ口数をたくさん買えますから上がったら大きなリターンを得られます。長期で投資をしていることを念頭に置きましょう。
☆シミュレーションと現実には開きがあるということを押さえておきましょう
よく事例で出されているシミュレーションはきれいな右肩上がりに表現されていることが多いですが、現実には減ったり増えたりを繰り返しながらギザギザの増え方で成長して長期で見たら増えていたというのが一般的です。
失敗する人に多いのが
・勉強しないでNISAを始めてしまう
人から勧められいわれるがままに始めることにならないよう自分で判断しましょう。
・感情的に投資してしまう
感情的に投資をする人は、価格が上がったから購入する、下がったら売却してしまうなどが失敗の原因になります。感情的ならずに冷静に淡々と行うことが重要です。
・長期投資で考えられない
投資は長期で考えないと失敗する可能性が高いです。下のグラフは保有期間の違いによりリターンのプラスとマイナスを表しています。1年しか保有していない場合は+45%~―47%とマイナスが出る場合も多いですが、20年保有だと+14%~-2%とマイナスのリスクが大きく減ります。平均値では6.75%になっています。
このように長期で保有することがとても重要です。
出典元:岡三証券
NISAで失敗した…などということにならないよう資産分散、時間分散、長期投資で非課税枠を使って将来の自分のために資産形成を始めてください。
・金融機関を適当に選んでしまった
金融機関によって取扱える商品や手数料が異なります。なるべくコストの安いところで口座開設されるのをお勧めします。
・手数料の高い商品を窓口で購入してしまった
銀行等でお勧めされ、よく調べないで購入すると中には信託報酬の高い商品であったということになりかねません。長期投資のため将来の運用成績に差がつくことも考えられます。
・値下がり時に売却してしまった
評価額が大きく下がった時に焦って売却してしまうと損をします。慌てて売却することなく冷静に投資を続けましょう。下がった時こそ口数をたくさん買えますから上がったら大きなリターンを得られます。長期で投資をしていることを念頭に置きましょう。
☆シミュレーションと現実には開きがあるということを押さえておきましょう
よく事例で出されているシミュレーションはきれいな右肩上がりに表現されていることが多いですが、現実には減ったり増えたりを繰り返しながらギザギザの増え方で成長して長期で見たら増えていたというのが一般的です。
失敗する人に多いのが
・勉強しないでNISAを始めてしまう
人から勧められいわれるがままに始めることにならないよう自分で判断しましょう。
・感情的に投資してしまう
感情的に投資をする人は、価格が上がったから購入する、下がったら売却してしまうなどが失敗の原因になります。感情的ならずに冷静に淡々と行うことが重要です。
・長期投資で考えられない
投資は長期で考えないと失敗する可能性が高いです。下のグラフは保有期間の違いによりリターンのプラスとマイナスを表しています。1年しか保有していない場合は+45%~―47%とマイナスが出る場合も多いですが、20年保有だと+14%~-2%とマイナスのリスクが大きく減ります。平均値では6.75%になっています。
このように長期で保有することがとても重要です。
出典元:岡三証券
NISAで失敗した…などということにならないよう資産分散、時間分散、長期投資で非課税枠を使って将来の自分のために資産形成を始めてください。